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日本と朝鮮半島 世界史の視点で考察 １
韓流ブームで日本と韓国との関係は良好である
しかし、両国の歴史認識は食い違っている 北朝鮮とは国交はない
明治維新後の歴史を冷静にみてみよう
（このページでは歴史判断はしていません。 各自のご判断におまかせします）
| 伊藤博文 暗殺 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
中国 黒竜江省にある ハルビン駅の１番ホームで 今から１００年程前 暗殺 と 処刑 という形で命を散らしあった二人の男の立ち位置が 現在でも分かるようになっている。 その距離 およそ５メートル。
それから１００年目の２００９年１０月２６日 ソウルでは１２００人が集まり記念式典が行われた。 韓国では 伊藤博文を倒した英雄（＝義士）として国民の尊敬を集めてきた安重根。 安重根は 「東洋平和論」を執筆し、 その中でアジアの連帯を提唱した先駆者として、近年再評価されている。 チョン・ウンチャン首相 「アン義士が伊藤博文を殺したのは 東洋平和のためでした。 獄中で書いた”東洋平和論”でも 東アジアの国々が協力し合う重要性を強調しています。」 同じ日 東京・品川 では 伊藤博文没後１００年の法要がおこなわれました。 韓国併合を積極的に進めてきたとされる伊藤博文。 しかし、 新しい研究によると 伊藤は 併合以外の選択肢も考えていたことが 分かっている。 韓国人による 責任内閣 を作るなど 一定の自治を認める構想も持っていました。 弱肉強食の帝国主義の時代だった２０世紀初頭の東アジア情勢。 その中で、国の独立をいかに守り生き残りを図るかという重い課題に 伊藤も安も向き合っていたのです。 伊藤が暗殺された翌年 １９１０年 韓国併合。 以後３５年にわたる植民地支配が始まる。 日本の大陸進出の拠点とされた朝鮮半島。 この時期に刻まれた負の記憶は 今も日韓の間に影を落としています。 |
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| 日清戦争 と 三国干渉 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
明治維新から韓国併合までを ざっと 年表で見てみよう
１８９４（明治２７）年８月 日清戦争始まる この戦争は 朝鮮半島の支配をめぐって対立した日本と清（中国）が武力衝突したものです。 開戦前、日本軍は朝鮮王朝の王宮景福宮を武力で制圧します。 このとき、 朝鮮王朝はまだ清の属国でした。 朝鮮国王は第２６代高宗。 清に朝貢し、王位を授かっていました。 日本の首相伊藤博文は朝鮮半島を国防の要と位置づけていました。 宣戦の詔書には こう書かれています。 日本は東洋の平和を維持しようとした。 しかし、 朝鮮を属邦としている清は それを阻んでいる。 １８９５年（明治２８）年 下関講和会議 伊藤首相は 清に 朝鮮国は完全な独立自主の国であることを認めさせた。 ところが、 旅順や大連のある中国遼東半島を清に割譲させたことが 日本が列強の干渉を受けることになるのです。 極東進出を図るロシアのニコライ 二世はドイツ、フランスとともに 三国干渉により遼東半島の返還を要求したのです。 列強との国力の差を知る伊藤首相は 多くの犠牲を払って割譲をさせた遼東半島を清に返還したのです。  フリー素材 白地図 世界地図 日本地図が無料ＨＰよりその後、列強の中国進出が加速します。 地図のように ロシア、ドイツ、イギリス、フランスなどが競って都市や港を租借。 とくに、ロシアは遼東半島まで進出しています。 １８９１年に始まったシベリア鉄道の建設とともにロシアは極東への進出を加速します。 その東の終着地である ウラジオストク とはロシア語で 東方を侵略せよ という意味である。 ウラジオストクは冬でも凍らない港として 極東進出の重要な拠点であった。 日本でも これに対抗して胃腸薬に 征露丸（＝露を征服せよ） と名づけた会社があった。 現在では 征 → 正 と 正露丸 とした会社が多い。 ・・・ これ雑談 m(_ _)m Wikipedia 大国ロシアの力の前に日本が屈服した三国干渉。 朝鮮国王高宗はそれまでの清からロシアに接近していく。 Wikipedia |
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| 閔妃 暗殺 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
朝鮮国がロシアに接近していくのを加速させたのが王妃の閔妃（ミョンソン皇后）であった。 ロシアの国力を積極的に自国に引き込もうと考えていました。 Wikipedia これに危機感を募らせた朝鮮駐在の公使 三浦梧楼 らが 王宮内のクーデーターを装った実力行使にでました。 １８９５年１０月８日早朝 日本軍や壮士の一団が王宮に侵入し、高宗の間近で閔妃を暗殺しました。 壮士 ＝ 自由民権運動の活動家 この暗殺に関し ロシア公使が報告書を書いています。 宮廷大臣の両腕が刀で切り落とされていた。 一人が王妃を捕まえ 床に投げ出し 刺し殺した。 日本人が王妃の遺体を近くの林に運び 燃やした。 三浦梧楼らは日本で裁判にかけられますが、 証拠不充分を理由に罪にならなかった。 王妃を殺された高宗は日本への反発を強め、ロシアに接近します。 王妃暗殺から４ヵ月後、日本軍が監視している王宮を脱出し、 ロシア公使館に移り住みます。 国王が他国の公使館で執務をするという 異常な事態が その後１年も続くのです。 １８９７年１０月 大国ロシアの庇護のもと、 国号を大韓帝国 とすることを宣布し、 自ら、皇帝を名乗りました。 国際社会で独立国と認められることを目指しました。 |
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| 安 重根 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
朝鮮半島をめぐって 日本とロシアの思惑がぶつかり始めた１９世紀末 安 重根 は１０代の少年でした。 生まれ故郷の海州は現在の北朝鮮にあります。 生家は知識階級両班で、幼いときから漢学などを勉強していました。 アン ジュングンの子孫は現在 アメリカ カリフォルニア州 サクラメント に住んでいます。 孫の アン・ウンホ（７７）さんです。 朝鮮戦争のさなか、１９５２年に韓国から移住してきました。 田舎暮らしをしていた１７歳のアン ジュングンに転機が訪れます。 キリスト教に入信し、 フランスから来た神父さんとの交流で西洋文明を知りました。 そして、当時の世界が弱肉強食であることも知りました。 |
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| 日露戦争 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
この頃、 日本はロシアとの緊張を高めていました。 １９００年の義和団事件後もロシアは兵を満州に駐留し続けました。 国防の要である朝鮮半島を脅かすと思った日本。 当時の政府である 首相 桂太郎、外相 小村寿太郎 はロシアと対抗する勢力 イギリス との同盟を模索します。 これに対し、 伊藤博文 は ロシアとの協調を図る 日露協商を模索します。 ロシアとの戦争は回避したいと考えていました。 若き日、 イギリスやドイツに学んだので、 西洋列強との国力の差を痛感していました。 伊藤は明治政府のなかにあって 抜きんでた国際感覚の持ち主であった。 結局 日本はイギリスと同盟を結ぶ。 ロシアとの交渉は決裂しました。 １９０４（明治３７）年２月 日露戦争勃発 このとき、 戦争に巻き込まれるのを回避しようと、 皇帝高宗 は 局外中立 を宣言。 列国の承認を受けていました。 ところが、 開戦後 高宗は日本軍の監視下に置かれ、 １９０４年２月２３日 日韓議定書 が締結されます。 日本が大韓帝国の独立と領土保全を保障するかわりに、 日本軍は軍略上必要な韓国の土地をいつでも収用することができる。 この議定書の締結により、韓国は日本軍に引き込まれ、中立宣言は効力を失っていました。 日露戦争は世界の予想に反し、日本軍の勝利が続きました。 １９０５年５月 日本海海戦により、日本はロシアのバルチック艦隊を破り、 勝利を決定的にしました。 |
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| 第二次日韓協約 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本が西洋の大国ロシアを打ち破ったことにより、 西洋列強に苦しめられていたアジア諸国も熱狂しました。 このとき ２５歳だった安 重根 も感動に胸を震わせていました。 韓国の保全、 東洋の治安 を重視する と 平和のためにロシアと戦う と日本は宣言していたからでした。 著書「東洋平和論」では なんと痛快なことだろう。 数百年来、悪事を働いていた白色人種を日本が打ち破ったのだ。 これは、歴史上まれなことで、世界が記念すべき功績である。 この頃、 日本政府は韓国の保護に向けての外交を始めていました。 １９０５年７月 桂・タフト協定 桂首相はタフト陸軍長官を秘密裏に覚書を交わし、 アメリカのフィリピン統治を認める代わりに、日本による韓国の保護を認めさせた。 １９０５年８月 第二次日英同盟 イギリスのインド権益を認める代わりに、日本が韓国における卓越した権利を有することを認めさせた。 １９０５年９月 ポーツマス講和条約 ロシアとの条約で 日本の韓国における権益を認めさせました。 １９０５年１１月 日本政府は伊藤博文を特派大使として韓国に派遣。 皇帝高宗 がもつ外交権を日本へ委任させるための交渉で、 第二次日韓協約を結ぶためです。 伊藤の考え方 日清戦争も日露戦争も元はといえば韓国が不安定なために起こったのだ。 だから、韓国が独自の外交権をもっているのは不安定が続くことになる。 日本が外交を肩代わりするべきだ。 １９０５年１１月１５日 伊藤はコジョンに謁見し、 韓国の外交権を完全に日本へ委任するように求めた。 これに対し、コジョンは形だけでも外交の使節を派遣できるようにしたい。 と訴えた。 伊藤は、 そんなことをすれば、 韓国は今より悪くなる。 と言い返した。 １９０５年１１月１７日 韓国に駐留していた日本軍（＝韓国駐箚軍）は １０００人を超す歩兵や砲兵が市内に繰り出し、軍事演習を実施した。 同日 午後８時 伊藤は駐箚軍司令官 長谷川好道 を伴い、 皇帝コジョンへの謁見を申し出た。 しかし、 皇帝は体調不良を理由に伊藤に会わなかった。 そして、 大臣たちに妥協の道を探るよう指示をした。 その後、 伊藤がコジョンのいない間に閣議の主導権を握る。 韓国の外交権を日本へ委任する件につき、 閣僚一人一人に伊藤は問いただした。 外務大臣 朴 齊純は 「私は、断然不同意だが、もし陛下のご命令とあらば 詮方ないことです。」 すると、伊藤は 「それならば、 反対というわけではないな」 日本側は 多数決により決定したとした。 この様子を宮殿に隣接するアメリカ公使館にいた駐韓公使モーガンは 「いならぶ日本兵たちの姿に もはや日本の要求に反対することはできないことを皇帝に印象付けた。」 「閣僚たちが自由意志で決めたとは 思えない」 と、本国に報告している。 こうして、 第二次日韓協約は締結された。 ソウル大学に保管されている原本によると、 日本国政府の仲介がなければ 韓国はいかなる国際的な条約も結ぶことはできない 韓国皇帝の下に日本は統監を置き 外交の一切を管理する 韓国の外交権を日本へ委任する協約 協約には 韓国側は 外務大臣 朴 齊純 の署名と印があります。 |
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| 条約無効 の 訴え | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
しかし、 この協約の締結に皇帝コジョンは納得していませんでした。 国際法に基づきその不当性を訴えようと密かに動きます。 アメリカ コロンビア大学 貴重書図書館 にある文書によると、 コジョンの皇帝御璽（印）の押された公式文書は第二次日韓協約の不当性について 署名は武力による威嚇によって強制的になされたもの よって、 この協約は不法である。 この親書は アメリカ、ロシア、フランス など ９カ国分が用意されていました。 しかし、 列強は条約締結２ヵ月後 駐韓公使を退去させてしまいました。 これは 韓国が日本の保護国になったことを国際的に認めたということです。 一方 ロシアのニコライ二世は 韓国が外交権を失う直前の １９０５年１０月 「ロシア皇帝政府は 韓国をハーグ会議に招待しています」 というメッセージを送っていました。 ハーグ会議とはロシアが議長国となり 開催を進めていた 第２回ハーグ万国平和会議のことです。 この招待の２年後、 １９０７年６月 オランダのハーグ の 国会議事堂 リッデルザール で会議は開催されました。 皇帝コジョンが派遣した イ・ジュン イ・サンソル イ・ウィジョン の３名の密使が到着します。 一行はホテルに大韓の国旗を掲げ 正式な使者であることを 示しました。 韓国は万国平和会議で日本を告発しようとしていました。 しかし、 一行は会場に入ることさえできなかったのです。 この一行を拒んだのは なんと 議長国 ロシア だったのです。 ロシア本国から 「彼らは正式な代表ではない。 接触しないように」 と指示されていたのです。 ロシアが韓国を招待してから２年 世界情勢は大きく変化していたのです。 ハーグ会議開催中の １９０７年７月３０日 第１回日露協約 締結。 この中で、 ロシアはモンゴルの権益と引き換えに 日本と韓国とのすべての条約を承認しました。 ハーグ会議開催中に ロシアは日本と手を結んでいたのです。 列強に周到な根回しをしてから結んだ 第二次日韓協約。 皇帝コジョンは 抵抗できなくなっていました。 |
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国際法上 この協約が 合法だったのか？ 非合法だったのか？ 現在も続く 日本と韓国の歴史認識の違い。 この協約が出発点である。 非合法だという理由は １、 批准書 が 無い ２、 最高責任者である 皇帝 の署名がない。 強制脅迫があったのでは？ 合法だという理由は １、 批准書 は 無いことも当時からあった ２、 当時の世界情勢は戦争状態であったので、 必ずしも最高責任者の署名は必要ない 日本政府は 合法で有効 韓国政府は 不法で無効 という見解です。 北朝鮮も不法という見解。 これは 「戦後補償」の問題に直結しています。 |
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| 民衆 の 抵抗 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
１９０５年の暮れ アン・ジュングン は 韓国が日本の保護国になったことを知る。 ２６歳のときだった。 著書「東洋平和論」では ああ、 悲しい。 日本は思いがけない勝利を収めたあと、 もっとも近くにあり、もっとも親しく弱くて善良な韓国に無理やり条約を押し付けた。 人々の心に 日本に対する疑念がにわかに沸き起こり、 日本の名声と功績は失われた。 東洋の平和、韓国の独立のために戦った日本が、なぜ韓国の主権を脅かすのか？ アン・ジュングンは独立運動に身を置くようになっていく。 １９０６年３月 初代統監 伊藤博文 着任。 統監府を置き 外交だけでなく 内政にも関与していく。 伊藤は なにが何でも韓国を併合するのだ という考えではなかった。 伊藤の娘婿で外交官で政治家の 末松謙澄 家の所蔵文庫の中に、 伊藤の考えが端的に現れている。 韓国八道 ヨリ 各十人 ノ 議員 ヲ 撰出 シ 衆議院 ヲ 組織 シ （中略） 韓国政府大臣 ハ 韓人 ヲ 以 （ッテ） 組織 シ 責任内閣 トスル （後略） 統監となった伊藤は まず 施政改善 という 韓国の近代化です。 １９０６年 当時の韓国の国家予算の８０％近い借款（当時で１０００万円）を日本から導入する。 農業や初等教育の充実、 水道などのインフラ整備に着手します。 伊藤は日本で成功させた近代化を韓国でも実施し、 その恩恵を受ける人々の自発的な協力を引き出すことによって より、 効果的な統治を目指したのです。 ところが、 伊藤の施政改善は韓国人の反発を受けます。 １９０７年１月 伊藤が斡旋した借款を国民の募金によって返済しようという 国債報償運動 が、 第四の都市 大邱 から始まりました。 ２０１０年１月 あれから１０３年経った今も 第１０３回目の記念式典が行われました。 この運動を呼びかけたのはテグ市の知識人 亡国の危機に際し、 まず男がタバコを禁煙してそれを募金することから始まりました。 女性たちは 髪飾りや指輪を次々と持ち寄りました。 独立運動に身を置いていた アン・ジュングン も 平壌で参加しました。 この動きに 統監府はいらだっていました。 この運動は３ヶ月のうちに韓国全土に広がっていました。 この運動を支えたのは 韓国人のナショナリズムでした。 １８９０年代からの 愛国啓蒙運動 がベースにあります。 こんな中、 伊藤は 子供への教育に力を注ぎました。 １９１０年までに 全土に ２,２５０校 にもなりました。 アン・ジュングン も ２つの学校運営に関わりました。 その一つは 北朝鮮 ピョンアン南道の ナムフン中学校 です。 １９０６年にアンが設立したのが起源です。 これからは英語が重要だと思い 英語教育に力を注ぎました。 言論も活発化します。 全国紙に加え 地方でも 新聞が続々発刊されました。 漢文をハングル文字にして、 一般の人たちにも分かるように伝えました。 伊藤は当初、この愛国啓蒙運動を容認していました。 それは、 言論の自由によって韓国が近代化するのだと 思っていたからです。 しかし、 ナショナリズムが高まるにつれ こんな新聞も出始めました。 １９０６年８月１９日 大韓毎日申報 には 「日本からの借款は韓国国民の精神を迷乱させ、手足を縛るものである」 伊藤の進める施政改善は批判されたのです。 １９０７年２月７日 東京・芝公園での 伊藤の演説 「伊藤の百言より 新聞の一筆のほうが 韓国人には 大きな感動を与えている」 こんな中で、 １９０７年６月 皇帝コジョン が ハーグ密使事件を起こしました。 伊藤は この事件を韓国統治変更のきっかけとしました。 李 完用内閣を通じて 次々と手を打ちました。 １９０７年７月２０日 皇帝コジョン退位させられ、 ３３歳で病弱の息子 純宗 が即位する １９０７年７月２４日 第三次日韓協約を締結 官吏の任命は統監の承認が必要だと明記された １９０７年８月 １日 韓国軍隊の解散 一方で 韓国司法の改善、 治外法権の撤廃など 韓国人有利の改善も進める。 皇帝コジョンの退位をきっかけに 全国で 義兵運動 が 激化する 解散させられた元軍人もこの運動に参加した。 アン・ジュングンも義兵運動に参加しました。 自伝 ”安応七歴史” では 日本は韓国の政権を奪い 皇帝を廃位し 軍隊を解散させ 国民は耐え難い 辱 めを受けた 義兵たちは 武器では日本軍に劣っていたので、 ゲリラ戦法で戦い 覚悟を決め 「死ぬまで日本と戦おう」 と 誓い合っていました。 こうした中、 国際的な批判を受けないように 伊藤は日本軍に慎重な行動をするよう求めた。 陸軍将校には 「暴徒を取り締まるとき 良民に被害がないように注意すること。 韓国は敵国ではない 日本の保護国である」 と 要請している。 しかし、 一方で ゲリラ戦に悩み 軍隊の増強を図っていた。 ８,０００人 → １５,０００人 駐箚軍の記録によれば ４年間でおよそ １４０,０００人 の義兵が参加し、 義兵の死者は１７,０００人を超えた とある。 皇帝コジュンと激しく対立した伊藤ではあったが、 韓国において皇室の権威は重要であると考えていた。 １９０７年１２月 皇太子 李 垠 を日本へ留学させる。 １０歳のときから 徹底した日本式教育を受けさせた。 １９０９年１月 皇帝純 宗の巡幸 を実現させる。 このころ、 韓国では日本への協力をする者も出始めていました。 この巡幸のなかで 伊藤は 自分の進める政策への理解をしてもらうよう 説いていました。 しかし、 ここで 人々の支持が得られていないことを思い知らされます。 「この巡幸は日本の強制によるもので、皇帝を日本へ連れ去ろうとしている」 「伊藤統監の暗殺計画あり」 などの流言が多くあった。 根強い反日感情により韓国統治は暗礁に乗り上げようとしていました。 伊藤らが進めた明治維新は日本人同士の改革であったが、 韓国で進めた改革は日本人による改革であったので、韓国人のナショナリズムが高まった。 |
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| 伊藤博文 暗殺 と 韓国併合 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
１９０９年４月 東京の官邸にいた伊藤を 首相 桂太郎 と 外相 小村寿太郎 が訪ねた。 韓国併合について 伊藤に意見を求めた。 伊藤は 「異論はない」 と言った。 １９０９年６月 伊藤は統監を辞任する 伊藤が承認したことで 韓国併合へと進むことになる 北朝鮮 中国 の国境に近い ロシア クラスキノ （ウラジオストクより南へ２００km） に アン・ジュングン は 潜伏していました。 国外から 仲間に決起を呼びかけていました。 １９０９年９月 断指同盟を結成 左手薬指の中ほどから切断し、 流れる血で 「大韓獨立」 と書いたと伝えられています。 １９０９年１０月 伊藤博文暗殺を決意し、 ハルビンに向かいました。 同じ頃 伊藤は満州へ行っています。 日本が韓国を保護国化したことにより、 列強の関心は 満州へと移りました。 アメリカは 南満州鉄道（＝満鉄）の中立化を要求 １９０９年１０月２０日 旅順の戦跡を視察 ここで、 伊藤 最期の演説をする 弱肉強食の世界で 国防をいかに確立するかがテーマでした。 戦争がしばしば起こるのは 国家にとって不利益であるのみならず 人道のためにも好ましいものではない。 しかし、現在の世界は平和を主張しながら 実際には競い合って軍備を強化し 国運の発達を進めている ゆえに 武装の平和 を免れることはできないのである １９０９年１０月２６日 午前９時３０分 ハルビン駅で伊藤博文 は アン・ジュングン に 暗殺される ６８歳でした。 暗殺のニュースは世界をびっくりさせた。 駐日イギリス大使 マクドナルド は 「伊藤公爵は常に平和の立場で 韓国でも軍部に対抗する文民の代表だった その死は 日本にはこの上ない痛手である」 アン・ジュングン は 旅順にある監獄に移送され 日本による尋問と裁判が始まる。 「わたしは 義兵の参謀中将として 独立戦争を戦いました。 それは 私怨によるものではなく 韓国の独立と 東洋平和の維持を目的としたものです。」 ”東洋の平和” とは何か と問われ 「すべての国が 自主独立していくことができるのが平和です」 １９１０年２月 死刑判決が下る 獄中で ”東洋平和論” の執筆を始める 現代の世界は東西に分かれ たがいに競争を繰り返している。 西洋勢力の東洋への浸透の災いは 東洋人種が一致団結して防ぐのが 第一であることは 子供でも分かることだ。 それなのに 日本はなぜ 隣国を略奪し 無益な争いをするのか。 韓国人 中国人 の希望は 全く断ち切られてしまった。 アジアの人々がともに生きることを願った ”東洋平和論” を 書き終えることなく １９１０年３月２６日 アン・ジュングン は 処刑される。 30歳でした。 １９１０年８月２２日 韓国併合 Wikipedia 統監に代わって新たに 朝鮮総督 が任命され 軍隊と憲兵による 武断統治 が始まりました。 東京に駐在していたイギリス大使館参事 ランボルド の ８月２２日 の日記には 日本にその役割がふさわしいか どうかは分からないが、 この国はいまや 大陸国家 になった。 強力な陸海軍をもって リアル・ポリテーク（現実的な政治）を実践する。 その意味において 日本はドイツに似ている。 その後も 日本は大陸への進出を本格化します。 朝鮮半島はその拠点と位置づけられました。 その後、 韓国の植民地化は３５年続きました。 |
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このアジアでは ”東洋平和論” のようにはなっていないが、 欧州では EU (European Union ヨーロッパ連合） が組織された。 （EUは 壮大な実験ではあるが、 通貨が不安定になることもある） 最近 東アジア共同体構想 なるものを 日本も打ち出している。 伊藤博文 と アン・ジュングン の 評価は 日本と韓国では正反対である。 このような 歴史認識の溝 があっては 話し合いすら困難であろう。 |
参考資料：ＮＨＫＴＶ ＮＨＫスペシャル シリーズ日本と朝鮮半島
（制作：2010/06/01/無断転載禁）
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