フナハシ学習塾その他８２

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↑　”浦島太郎”　（作詞　作曲　共　著作権消滅）

童（どう）.謡（よう）.のなぞ　２８

ふしぎな童謡たち / 浦島太郎

各地に残る浦島太郎伝説　　そのルーツは？

♪　昔（むかし）昔（むかし）　浦島（うらしま）は
　　　　助（たす）けた亀に　連（つ）れられて
　　　　　龍宮城（りゅうぐうじょう）に　来てみれば
　　　　　　絵（え）にも書けない　美しさ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（尋常（じんじょう）小学唱歌　作詞作曲　共　著作権消滅）

むかし　むかし　浦島（うらしま）太郎（たろう）が浜辺を歩いていると、
子供たちが亀をいじめているところに出くわした。

かわいそうに思った浦島は子供たちを諭（さと）し、亀を助けた。
すると、　亀は　「私は龍宮（りゅうぐう）の使いです。　お礼に龍宮城にご案内いたしましょう」　と言った。

亀の背にまたがり着いたのは　まばゆい龍宮城で、　美しい乙姫（おとひめ）さまが出迎えてくれました。
そこで、　おいしい料理を食べ、　魚（さかな）たちの踊（おど）りを見て楽しく過ごしました。

数日が過ぎ、　陸へ帰りたいと申し出ると、　乙姫さまは止めましたが　太郎はどうしても帰りたいと言った。
乙姫さまは　「けっして開（あ）けてはいけません」　と言いながら玉手箱（たまてばこ）を渡した。

陸にもどった太郎は　出会うのは見ず知らずの人ばかりで　自分の家も両親も見つけられなかった。
そこで　不安になり玉手箱のふたを開けてしまった。

すると、　白い煙（けむり）が顔にあたり、　見る見るうちに白髪（はくはつ）の老人になってしまった。
龍宮城で過ごした数日は　地上では何十年もの月日であった。

・・・　という　お伽噺（とぎばなし）は　有名ですね。

地方によって　話の中身が異なることがあります

この浦島太郎伝説のルーツは　奈良時代初めに記された　「丹後国（たんごのくに）風土記（ふどき）逸文（いつぶん）」とか
「日本書紀」　「万葉集」　などにまでさかのぼることができる。

しかし、　「浦島太郎」　という名は後世につけられたもので、

「丹後国風土記逸文」では　日下部（くさかべの）首（おびと）を先祖とする水之江（みずのえ）の　「浦（うらの）嶼（しま）子（こ）」　とか

「日本書紀」では　丹波国（たんばのくに）余杜（よさの）郡（こおり）管川（つつかね）の人　「瑞江（みずのえの）浦（うら）嶋（しまの）子（こ）」　とか

「万葉集」では　水江（みずのえ）の「浦島の子」　などとなっている。

丹後国風土記逸文　の　舞台は　丹後半島の東側、　京都府伊根町本庄浜である。

同地にある　宇良（うら）（浦嶋）神社の「浦嶋子伝説」ではこういう話である。

　　雄略（ゆうりゃく）２２年（478）、　浦嶋子という青年が小舟で釣りに出かける。　３日後亀を釣り上げる。
　　亀は美しい乙女に変身して嶋子と常世の国に出かけ、　夫婦の約束をする。

　　３年がたち　両親恋しさに故郷に帰ると、　すでに３００年余の月日がたっていた。

　　開けてはいけないと言われていた玉櫛笥（たまくしげ）を開けると、　突然紫煙が出て、
　　嶋子はたちまち老いて死んでしまった。

一方、　丹後半島の西側、　京丹後（きょうたんご）市網野（あみの）町にも
網野（あみの）神社、　嶋児（しまこ）神社、　六神社　など　浦島を祀（まつ）る神社がある。

このように　浦島伝説のルーツは丹後半島にあると考えられる。

奈良時代の浦島は丹後の豪族・日下部氏の御曹司（おんぞうし）であるが、
やがて浦島は漁師に、乙姫は絶世の美女へと変容していった。

「続日本後記」　や　「水鏡」　での乙姫は実在した不老不死の人物として書かれ、
漁師の青年と仙女との恋愛物語となる。

室町時代には　謡曲や狂言の題材となり、
仏教色の濃い　「御伽草子（おとぎぞうし）」の一作として知られたが、　「浦島太郎」　となったのはこのころである。

江戸時代になると　常世の国　や　蓬莱（ほうらい）国　は　龍宮城に変わり、
浦島は舟ではなく亀の背に乗って海底に向かう　と　なっていった。

「浦島太郎伝説」　は　全国各地に２０ヶ所以上あるといわれ、　伝説の中身が少しずつ異なる。

香川県三豊（みとよ）市詫間（たくま）町での伝説は

　　太郎は乙姫さまから７つの宝物をもらい、　乙姫さまに送られて故郷に帰ってくる。
　　詫間町には
　　　太郎が生まれた家里
　　　釣に向かった　糸の越
　　　亀を逃がした　鴨ノ越
　　　龍宮に向かった　亀岩
　　　乙姫に見送られた　姫路
　　　玉手箱を開けた　箱浦
　　　余生を過ごした　仁老浜　など　伝説にちなむ地名が多く、　箱浦には浦島父子の墓もある。

岐阜県中津川市では

　　釣好きの太郎は鉄砲水に流され龍宮城に着く。
　　帰郷後、乙姫恋しさに玉手箱を開けて年老いてしまうが、
　　このとき目覚めた場所が　「寝覚（ねざめ）の床」　である。

　　近くの臨川寺には太郎の釣竿が保管され、資料館もある。

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参考文献：　歴史のミステリー No_9/デアゴスティーニ
使用音楽：　クラシックMIDIライン

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